中学生か高校生の頃、チャップリンの映画を劇場で見ました。記憶によると最後の劇場公開という触込みだったような気がします。パンフレットを確認すると「街の灯」「キッド」「ライムライト」「独裁者」を見たようです。
ということで今回は「ライムライト」についてひとつ。チャップリン本人の作曲ということですが、テーマ曲が心に滲みる名曲です。いつ聴いても映画の場面が目に浮かびます。落ちぶれた老芸人のカルベロをチャップリンが演じます。この映画には山高帽にステッキというお馴染みのチャップリンは出てきません。ある日彼は精神的なショックから下肢が麻痺してしまったバレリーナのテリーと出会います。カルベロは、自殺まで図った彼女を献身的に支え、励まします。そして再びライムライトに照らされるステージにテリーを送り出すまでが感動的に描かれます。
クライマックスのもう一人の喜劇王バスター・キートンとチャップリンの共演シーンは圧巻です。二人の共演はこの一回だけだったそうです。
彼との結婚を望むテリーに対して、彼女が若い作曲家に求婚されていることを知り静かに身を引くカルベロ。ラスト、まぶしい程のステージで舞うテリーを見つめるチャップリンの演技に涙が溢れます。