拝啓、ルトガー・ハウアー様。本当にお久しぶりでございます。
「バッドマンビギンズ」の公式サイトであなたのお姿を拝見出来まして本当に嬉しく思っております。
あなたに始めて出逢ったのはあの伝説の名画
「ブレードランナー」でございました。怒りと悲しみを胸に自身のアイデンテティーを探し求めるレプリカント役を見事に演じ、主役のハリソン・フォードを凌駕する抜群の存在感でございました。雨の中のラストシーン、あなたの腕の中から白い鳩が飛び立って行く場面は思い出す度に頬を涙が伝っていきます。思えばあの一作で私はあなたの虜になってしまったのでした。
その後も
「レディーホーク」では恋人とともに呪いをかけられた悲しみの黒衣の騎士を、「ヒッチャー」では凄みのある殺人鬼を、「ウォンテッド」では賞金稼ぎ、「サルート・オブ・ザ・ジャガー」では荒野をさまよう凄腕の戦士を演じ、私はますますあなたのファンになってしまいました。
1989年の「座頭市血祭り街道」のリメイク「ブラインド・フューリー」ではなんと盲目の剣士を演じておりましたね。この映画でのあなたはやや太めになっておりましたが、子役とのからみで涙をさそい、随所にコミカルな演技も披露して新境地といった感じでしたね。
あなたのお姿を最後に劇場でお見かけしたのは1991年の「ウェドロック」でございました。さらに太めになっておりました。役作りだったのでしょうか? 首に爆弾を付けた脱獄囚でしたね。アイディア倒れの駄作でした。この映画以降あなたのお姿は過去の名画の中だけという事になってしまいました。レンタルビデオ店で新作C級映画のパッケージにあなたのお名前を拝見することはありましたが、あえて見ないふりをしておりました。
苦節10数年、私はあなたにお会いするために「バッドマン」を見に行くことでしょう。どんな役でも文句は言いません。再会楽しみにしております。敬具