私を映画フリークの道に引きずり込んだ罪な映画が二本あります。一本が「大脱走」そしてもう一本が「荒野の七人」でございます。言わずと知れた黒澤明監督の「七人の侍」に惚れ込んだユル・ブリンナーが翻案映画化権を買い取りリメイクした1960年の作品です。監督はジョン・スタージェス、音楽はエルマー・バーンスタインといことで「大脱走」と同じコンビですねー。私の記憶によると1970年頃にリバイバル上映で劇場鑑賞したような気がします。
七人のガンマン役にはブリンナーを筆頭に、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ボーン、ホルスト・ブッフホルツ、ブラッド・デクスターが扮しておりました。
なんといってもマックィーンの格好良さが印象的で、私は彼の虜になってしまいました。薬莢を耳元で振り火薬の状態を確かめたり、全力疾走の馬上から片手でライフルを撃ったり、障害物を飛び越えながらの背面撃ちなどシビレました。聞いた所によると試写を見たブリンナーがマックィーンが目立ちすぎるとへそを曲げたそうですね。その他、ナイフ投げの名手に扮したコバーンが痩身足長で身のこなしがかっちょ良かったです。モデルとなった「七人の侍」の宮口精二さんも渋かったですからね。
七人のガンマンを集める過程でブリンナーが若いガンマンのホルスト・ブッフホルツをテストする場面があります。肩幅に両手を開いたブリンナーが手を叩く間に銃を抜いて見せろと迫ります。当然ブッフホルツは出来ないのですが、ブリンナーは軽々と抜いて見せます。後年、日光ウエスタン村に遊びに行ったおりに、アメリカの早撃ちチャンピオンにステージに呼び上げられ、同じ体験をさせてもらいました。嬉しかったです。
チャッ、チャッ、チャチャー、チャッ、チャッ、チャチャチャーというテーマ曲も秀逸でしたねー。その後、「続・荒野の七人」(ユル・ブリンナーとホルスト・ブッフホルツ出演)、「新・荒野の七人 馬上の決闘」「新・荒野の七人 真昼の決闘」(ユル・ブリンナー役をなんとリー・バンクリフが演じております)が製作されましたが、出来はトホホか感じでございました。