
「ミリオンダラー・ベイビー」見て来ました。前評判通りの重いテーマでございました。
公開中という事で"なるべく"ネタバレ無しで感想を少々。
モーガン・フリーマン演じるジムの雑用係スクラップの語りで映画は幕を開けます。いい声ですよねー。彼のナレーションというと「ショーシャンクの空に」も印象的でした。大統領から神様、犯罪者までこなす芸達者はこの映画でも一歩引いた演技でいぶし銀のように渋く輝いておりました。

決して成功しているとは言えないボクシングジムの経営者兼トレーナーのフランク(イーストウッド)のもとに、人生の居場所を失いボクシングだけに自身の生きる価値を見いだす31歳の女性ボクサーのマギー(ヒラリー・スワンク)が現われます。女性は教えないとマギーを相手にしないフランクですが、彼女の熱意とスクラップの影の後押しで渋々コーチを引き受ける事となります。
徐々にマギーの素質に惚れ込み指導に熱の入るフランク。めきめきと腕を上げ勝ち続けるマギー。二人を静かに見守るスクラップ。物語は悲劇に向けて一歩一歩静かに進行して行きます。

ヒラリー・スワンク頑張っておりました。かなりハードなトレーニングをしたようで、体もしっかりと作り込んでボクサーらしい動きになっておりました。3ヶ月という短期間にしては立派ではないでしょうか。
それにしてもタイトルマッチの相手役、反則連発のダーティーチャンピオン"青い熊"ことビリーを演じた元女子世界チャンピオンのルシア・ライカ選手の存在感は抜群でした。憎々しい出で立ち、風貌は本当にハマり役でございました。

フランクがマギーに付けたニックネーム"モ・クシュラ"の意味を聞いた時のマギーの涙に"涙"いたしました。重い映画ではございますが、お薦めの一本ではないでしょうか。
パンフレットによりますと撮影自体は37日間で終えたそうです。監督としてもプロデューサーとしても早撃ちなんですね。
<6/3追記> 鑑賞翌日、ラストのヒラリー・スワンクの表情が頭から離れず困りました。翌日まで引きずった映画は久し振りかもしれませんね。ヒラリー・スワンクの前半の躍動する動の演技と、後半の静の演技、オスカーに相応しいものでした。