ここ1週間ぐらいの間に
「レマゲン鉄橋」「バルジ大作戦」「史上最大の作戦」のDVDを購入いたしました。いずれも一枚1000円程です。良い時代になったものですね〜。嬉し涙が頬をつたいます。(笑)
それぞれの映画の感想は置いといて、今回はこの3本すべてに出演し、いぶし銀の存在感をかもし出していた
ハンス・クリスチャン・ブレヒ(1915〜1993)という役者さんについて少し。

ドイツ人の俳優さんで、第二次大戦中は独軍兵士として東部戦線に従軍したそうです。本物なんですね。小柄な体でけっしてハンサムとは言えない容貌、私達のイメージするドイツ軍人では無いところが面白いです。
「レマゲン鉄橋」司令官として赴任してくるクリューガー少佐
(ロバート・ボーン)を出迎える、レマゲン守備隊長シュミット大尉を演じております。ラスト近くで分かるのですが、戦前は地元の校長先生だったという設定なんですね。クライマックスでは逃亡しようとする味方の兵士を射殺し無謀な突撃を強要するクリューガー少佐に対し
「そんな命令は受けられない。今度は我々全員を射殺しますか!!」と詰め寄ります。
「バルジ大作戦」重戦車大隊の指揮官へスラー大佐
(ロバート・ショウ)の世話係兼運転手コンラート伍長を演じます。彼は開戦当時は勇猛果敢でしたが、長引く戦争に疲れ果て、接近する非武装の偵察機にさえ逃げ惑うありさまで、国に残してきた息子達の身を案じています。
勝つ事でも負ける事でもない、戦争が続く事こそが我々軍人の理想なのだと祝杯を上げるヘスラー大佐に
「あなたの様な人が、やがて私の息子達を殺し、国を殺すのです」とくってかかります。映画のラストシーンは補給係に転属させられた彼が、燃料切れで戦車を乗り捨てた部隊と共に銃を捨て、晴れ晴れとした顔でドイツへ帰って行く場面で幕を閉じます。
「史上最大の作戦」海峡監視所の指揮官を演じています。双眼鏡で水平線を埋め尽くす連合軍の艦艇を発見、驚愕して司令部に電話を入れます。
「5000隻の艦艇がやって来ます。侵攻作戦です」「連合軍にそんな数の艦艇は無い」と笑って信用しない司令官に対し
「馬鹿!!こっちに来て自分の目で確認しろ」と怒鳴りつけます。その直後、嵐のような艦砲射撃が彼を襲います。
3本とも共通して上官に向かって正論を叩き付ける役回りなんですね〜。上官侮辱罪とか反逆罪に問われそうです。