ジョン・ウエイン主演、ジョン・フォード監督の「捜索者」(1956年)をレンタルDVDで観ました。その昔TVで観て以来なのでいったい何年振りだったでしょうか、細部はだいぶ忘れておりました。
この映画でのジョン・ウエインは何度も憎悪に満ちた表情を見せ、インディアンを背中から躊躇なく撃ち、その頭の皮を剥ぎます。インディアンにさらわれた自分の姪にさえ容赦なく銃口を向けます。いままで彼が数多く演じた役柄とは少しおもむきが異なりますね。ハワード・ホークス監督がジョン・ウエインと初めてタッグを組み、成功した「赤い河」の主人公ダンソンもいわゆる西部劇のヒーローとは毛色が違いました。大御所ジョン・フォード監督もホークス監督の演出を意識したのではないでしょうか。フォード監督らしいユーモアも随所に見られますが、全編を流れるムードはハードボイルドです。
ウエイン自身、このイーサンという役柄がお気に入りだったようで、息子さんにイーサンという名前を付けたんですね。
さらわれた姪っ子デビーの成長した役柄をナタリー・ウッドが演じておりますが、大変キュートです。
クライマックスでイーサンは弟夫婦の仇を討ち、「私は部族の女」と一度はイーサンを拒否したデビーを追いつめます。そこで彼のとった行動とは・・・。
ウエイン入魂の傑作西部劇です。未見の方は機会があればご覧下さい。