前回に続いてラストシーンの話をもうひとつ。
好きだなぁ〜、そして上手いなぁ〜と思うのがジェームズ・キャメロン監督の「ターミネーター」のラストシーンです。
死闘の末ターミネーター(アーノルド・シュワルツネッガー)を倒した数ヶ月後、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)はジープに乗りメキシコ国境のガソリンスタンドにやって来ます。やがて人類のリーダーとなるジョン・コナーを宿したお腹はかなり大きくなり、ジープの後部座席にはシェパード犬が、サラの膝の上には大型のリボルバーが置かれています。犬は人間とターミネーターを識別させるため、リボルバーはスタームルガー社のレッドホークという銃だそうで、携行性より破壊力重視ですね。
スタンドのおじさんに給油してもらいながら、やがて生まれて来る息子のためにメッセージを録音するサラ。「・・・あなたは彼を父親と分かっていて、過去に行かせられるのかしら・・・でもそうしないとあなたは生まれて来ないし、ああ頭が変になりそう・・・(台詞うろ覚え?)」と、フラッシュが光ります。少年が彼女の写真を撮り買ってくれと言います。写真を受け取るサラ、そこには悲しげな表情の彼女が映っています。
スペイン語でなにかを言いながら走り去って行く少年。おじさんが「嵐が来ると言ってますよ」と通訳します。「知っているわ」とつぶやくサラ。そしてテーマ曲が流れ、暗雲が立ち上る地平線に向けて走り去って行くジープ。クレジットが流れます。
映画では直接描かれていませんが、何十年か後、成長したジョン・コナーは、父親となるカイル・リースと出会うわけですね。ジョンはカイルに彼が父親である事は伏せつつ、母サラの思い出を語り、母親から貰ったこの時の写真を手渡します。マシンとの戦いの合間に写真を眺めるカイル。なんの娯楽も無い戦いの日々ですから、写真のサラに思いを募らせていくのも自然な流れですね。そしてジョンは、サラをターミネーターから守る使命を彼に与え、タイムマシンで過去に送り込みます。
「あなたは、ジョンに戦い方や組織作りを教え込んだ伝説の女性だ」とか
「写真のあなたは、何故だか悲しげな表情でした」とかのサラとの会話も活きてましたね。タイムパラドックスの使い方としてもスマートです。

まあ
「ターミネーター2」はふんだんにお金のかかった傑作娯楽映画ですが、私的には低予算で作られた一作目の
「ターミネーター」の方が好みです。